stroboscope

いつかの記憶
<< April 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
# スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | | category: - |
<< 均一化のもたらしたもの | main | the Sneaker >>
# ANPO
映画『ANPO』チラシ

 渋谷のアップリンクにて現在上映中の映画『ANPO』を観てきました。この映画について、大学の課題の一つで考えた事をまとめなきゃならないので、その為の自分用感想、考えた事、メモ。
 ネタバレとかは無いと思います。…多分。
 長いので、折り畳みました。

JUGEMテーマ:映画の感想


 この映画は、タイトルのように『日米安全保障条約』通称『安保』における闘争を取り上げたドキュメンタリーであり、「60年安保闘争とは何だったのか、彼らを闘争に掻き立てたのは何だったのか、そして、その後遺症として未だに日本に残る米軍基地が日本にどういう影響を及ぼしているのか」という監督の想いから作られています。
 まず、自分の鑑賞した感想ですが、「これが戦後か」という思いでした。
 自分は、1988年の1月生まれで、当然のように戦争どころか戦後すら知らない世代です。おばあちゃんの体験談や修学旅行で沖縄へ行き、ひめゆり部隊の生き残りの女性から直接話を聞いたくらいしか、戦争というものを知りません。
 むしろ、戦争と言えば、もっぱらゲームや漫画の世界のもののような、どこか自分とは遠く乖離したような過去の遺物のようにしか考えていませんでした。(多分、同世代の方はみなそうだと思います)(例えば生まれが特殊で、幼い頃から戦争体験、記憶を聞きながら育った方であれば、また違うのだとは思いますが)
 自分達のような戦争を知らない世代に様々な断絶が存在する事を、自分は昨年の卒業研究を通して散々大学の教授にレクチャーされてきました。特に、論文、作品共にメインテーマであった「岡本太郎」を知る為には、彼が『冷凍されていた2年』と称した従軍中、つまりは戦争そのものにぶつからなければなりませんでした。(それは、戦後太郎が日本と言う場で戦おうと決意した一つのきっかけであるからです)
 太郎の著書を読み、日本の歴史を追い、自分は戦後から現在を何となく知った気でいました。
 でも、この映画を見てその認識が如何に甘かったのか、つまりは全く戦争の傷跡というものを知らない(知ろうとせずに生きていた)という(意識の)断絶を突きつけられた気がしました。
 教授は、現在には戦後における『戦争』という誰もが思い出すだけで共通の痛みを想起させるものが無くなっている、とゼミで述べていました。でも、それはある意味当然だと思っていました。何故なら、伝えるべき体験者、経験者はどんどん歳をとり亡くなられている上に、『自分達』はとても過去に無頓着だからです。そして、その傷跡や痛みを想像する気も、力も持ち得ていないのです。(何故そんなに想像力が足りないのか、という考察はまた今度します)
 何故過去をこうも蔑ろにしていられたのだろうか、何故こんなに眼を背けていたのだろうか?
 これが自分の二つ目の感想になりました。(同時に自分に対しての問いでもありましたが)
 自分は、この映画の最後の方にあった、『安保が終わったら就職しよう』とその闘争のエネルギーを(政府によって)経済成長へ向けさせられた事にヒントがあるのではないかと考えました。
 高度経済成長期は、日本における敗戦からの復活の証のように今でも言われています、しかし、その高度経済成長期を過ぎた今から考えれば、この時代から人間は機械化、よく言う社会の歯車、部品としてしか扱われていなくなっており、年々、その自覚がされにくくなっているように思うのです。
 安保闘争には、(映画を見た方はお分かりでしょうが)とてつもない数の『国民』が参加しました。それは実際にデモを行なっているとか、いないとかではなく、安保という事に関心を持ち己の確固たる意志を持っていたという事です。
 つまり、この60年安保の時の日本人ほど、『民主主義とは何なのか?民主主義を護るべき存在は誰よりも自分である』という意識があったのだと思いました。そして、その思いによって動いてこそ、民主主義であるべきだ、という希望を持っていたように見えました。
 しかし、結果は安保締結という絶望的なものであり、立て続けに高度経済成長期です、自分にはこの流れが絶望→自棄で国民は思考停止に陥れられた様にしか思えてなりませんでした。
 ここで、何故今『安保』なのか?という問いになります。このドキュメンタリーに救いも決まりきった教訓もないように見えました、存在したのは問いかけです。
 この映画を見るべきなのは、自分達のような戦争、戦後を知らない世代なのだと思います。今日のハーバード白熱教室ではないですが、歴史や文化は前の世代が存在してこそのものであり、それらによって構築されているのが現在です。知らない、という事が以下に罪深いのか、という事を酷く考えさせられました。

あー、なんか纏まらないので、ここら辺で。
| - | - | 20:00 | category: movie |
# スポンサーサイト
| - | - | 20:00 | category: - |